人間は暑い時には、体温を下げるために汗をかきます。
ガラスなどに息を吐きかけると曇りますよね?
息をする時にも、肺から水分を出しているのです。
そして、身体の不必要なものとして体外へ尿が排出されます
そうです。人間は常に体から水分を失っており、補うために水などで水分を補給します。
そのバランスが崩れ水分不足となった時の危険性をこれから説明いたします。
水分量
まずは人間の体の水分量のお話から
『人間の体の60%は水でできております』
そんなに!?と驚かれましたか?
もちろん、人間の体内を流れる血液も水分です。そして食物に含まれる水分もあります。
そして水分量は年齢とともに変化します。
新生児:75%
4~5歳:70%
成人女性:50%
成人男性:60%
老人:50%
成人女性と男性で水分量が違いますが、逆に脂肪分は女性の方が10%多いです。
老人になると、よく指先をペロッと舐めて紙などをめくる方がいますよね!?
それは水分量が少なくなり、指先が乾燥し紙などめくりづらくなるため、ペロッと舐めて湿らせているんですね。
ちなみに【ペロリスト】と言われているようです(笑)
水分不足が引き起こす症状
人間の体の水分(体液)は60%とお話ししましたが、その中には水分とミネラル(電解質)とたんぱく質などで構成されています。
よく耳にする『脱水症』とは、体内の水分とミネラルの1つであるナトリウム(塩)が不足している状態であり、その水分とミネラルの不足量によって大きく2つに分けられます。
低張性脱水
水分と一緒に血液中のナトリウムが不足してしまうことで、だるさや吐き気、痙攣などを引き起こします。長時間のスポーツなど、発汗をともなう際に発祥しやすいそうです。
高張性脱水
体内の水分だけが不足する状態で、発熱や激しい喉の渇き、意識の混濁などを引き起こし、自分で水分が補給できない乳幼児や高齢者に発症しやすいと言われています。
体の水分は栄養素の運搬や老廃物の除去、体温調整、新陳代謝などの生きる為に必要な機能を担っており、脱水症を引き起こすと体の水分損失率によって様々な症状が現れます。
水分損失率 | 症状例 |
---|---|
1% | 大量の汗、のどの渇き |
2% | 強い渇き、めまい、吐き気、食欲減退、血液濃縮 尿量減少、血液濃度上昇 |
4% | 全身脱力感、皮膚の紅潮化、イライラする、吐き気 感情の不安定、無関心 |
6% | 手足の震え、ふらつき、混迷、頭痛、体温上昇 脈拍・呼吸の上昇 |
8% | 幻覚・呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭 疲労困憊、精神錯乱 |
10~12% | 筋痙攣、失神、舌の膨張、不眠、循環不全 血液および血液減少、腎機能不全 |
15~17% | 皮膚がしなびてくる、飲み込み困難、目の前が暗くなる 目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化 |
18% | 皮膚のひび割れ、尿生成の停止 |
20% | 生命の危機、死亡 |
脱水症を引き起こしやすいタイミング
★スポーツ時
運動を行うと、体は汗をかき体温調整を行います。
しかし、大量の発汗は水分だけではなくミネラルも多く失ってしまいます。
そうです。先ほどお話しした低張性脱水にかかる可能性が高くなります。
運動を始める前の水分補給、そしてもちろん途中や運動後の水分はこまめに摂取しましょう!
短時間の運動なら水で十分ですが、1時間以上の運動や密度の高い運動時は、ミネラルを含むスポーツドリンクを摂取しましょう。
★飲酒
お酒って水分じゃないの!?
と思う方も多いはず、物によってはお酒にも水分は含まれておりますが、お酒に含まれるアルコールは分解するのに水分を必要とします。アルコールを飲めば飲むほど、体は水分不足となり脱水症が進みます。
例えば、ビールを10本飲んだ場合は、利尿作用により11本分の水分が排出されてしまいます。
お酒を飲んだ次の日に、もの凄く喉が渇く理由はこれですね!
のどが渇いてから飲むではなく、こまめに水分を摂取しましょう。
★夏や冬の季節
夏に脱水症にかかりやすいのは分かりますよね。
高温多湿の時期で外にいれば、自然と汗をかきます、その汗にはミネラルも含まれておりますので、こまめな水分補給を心がけましょう。
そして、意外なのが冬です。
冬は乾燥によって粘膜にウイルスが付着しやすく、様々な感染症がおこりやくなります。
そんな感染症で、風邪や胃腸炎など、症状に嘔吐や下痢を伴うものは脱水のリスクも高いと言われています。さらに熱を下げるために多くの発汗を行いますので、飲み物や食べ物から水分を補給しましょう!
★マスク着用時
最近ではマスクを装着している時間が長いため、体の熱が放出されにくくなり体内温度が上昇、さらに口の中の湿度が保たれることで、水分補給をしなくても体内の水分が足りていると錯覚を引き起こし、脱水症状を引き起こす『マスク熱中症』に気を付けましょう!
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